中身はM9と思って間違いはないので「外装の違いだけ」と言ってしまっては身も蓋もないのだが、それが成り立つのもライカならではと言えるだろうか。しかしながら、それが間違いなく魅力的な選択肢となっているのもライカらしいところではある。
M9-Pの意匠はシンプルでスマート。全面から見れば大きなロゴもなく、M3から始まるいわゆるM型ライカの伝統的な形状をしっかりと抑えている。すっきりとした軍艦部とエッジの立ったラインは、銀塩ライカとして未だに現役である「MP」が一番似ている存在であろう。
ライカを単なる高級品と捉えている方には、このモデルの意味は伝わらないかもしれない。しかしライカの魅力にどっぷりと嵌りライカできちんと写真を撮っている方なら、M9-Pを素直に歓迎するに違いない。M型ライカが半世紀以上もその形を保っているのは、それが合理的で優れた形状であるからだ。変える必要のないカタチであればこそ、この姿であり続けるのである。余計な装飾などを入れず、撮影に集中できる存在。M9という存在が生まれて、古くから銀塩ライカを使ってきたユーザもデジタルライカに触れつつある。目の肥えたユーザへ贈る、写真を撮るための「道具」としてあるべき姿のM型ライカ。
とびきりストイックな選択として、M9-Pを眺めてみてほしい。
(写真:A.INDEN & M.Ishizuka / 文:M.Ishizuka)
「M9」の文字と共に赤い丸型のライカエムブレムがなくなり、前面はフラットな姿になった。メーカーロゴを前面に押し出さない控えめなデザインは、クラシックライカを思わせる佇まいである。
軍艦部上面にはライカロゴの刻印。この刻印は昔ながらのライカをお持ちの方なら嬉しいのではないだろうか。撮り手の目には触れるが、外からは目立たない存在。つくづく昔のライカがよくデザインされていたものだと理解できる。
カメラを手にしたばかりの頃の写真を見返してみてほしい。きっと道具を手にしたばかりの高揚した気持ちが写真に写っているはずだ。道具が変われば気分も変わる、というのはあながち間違いではない。
ずっしりとした重みと金属の感触。丸みを帯びたラインは手のひらによく馴染み、ファインダーを覗くたびに、1カットシャッターを切るたびに、確かな手応えを感じさせてくれる。マニュアルレンズの感触やピントを自分であわせる行為そのものも、満足感に関係していることは疑いないだろう。自分でピントの位置を決めて、構図を決めてシャッターを切る。写真撮影における一連のプリミティブな行為ひとつひとつに、カメラもレンズもしっかりと手応えを返してくれるのである。
よい万年筆を手にしたからといって文章がうまくなるわけではないのだが、書き心地のよいペンは必然的に書く量を増やしてくれるだろう。結果としてそれは文章の上達につながるかもしれない。カメラもレンズも同様であって、気に入った道具との出会いが写真を一層楽しいものにしてくれることは間違いない。撮っていて心地よく、持っていて嬉しく、眺めていて美しいもの。そういう道具こそが、時代を越えて長い期間愛されているはずだ。
そういった「本物」に出会えたのなら、それは本当に幸福なこと。もはや移ろいゆく新製品の数々に悩まされる必要はない。ライカM9-Pを使い続ければいいのだから。
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ライカM8/M8.2/M9を長時間にわたる撮影などにスペアバッテリーをお持ちになることをおすすめします。
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充電器も2つあると便利です。Loading..
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巻き上げレバーのないデジタルライカで親指が落ち着かない方に。シルバーです。
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親指がかかるだけでホールディングがよくなるんですね。ブラックです。価格:Loading..(税込) Loading..(Loading..)
高速データ通信を可能にするUHS規格に対応。最大90MB/秒の書込み速度で、RAW+JPEGの撮影でもスピーディなスナップが可能。
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少し小さいサイズを何枚か持っているというのもいい方法ですね。使いやすい16GBはいかがでしょうか。
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ライカ純正-0.5視度補正レンズ
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ライカ純正-1.0視度補正レンズ
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ライカ純正+3.0視度補正レンズ
フルサイズセンサーを搭載したM9は、M型ライカのレンズを隅々まで楽しめる存在として高く評価されてきました。ある種マイナーチェンジと言えなくもないM9-Pですが、このルックス/スタイルだけで手にしたくなる方も多いでしょう。半世紀以上も支持されてきたこのフォルムは、簡単に陳腐化することはありません。新製品に心惑わされることのない世界へ、一歩踏み出してみましょう。その分レンズ沼に引きずり込まれる? それが幸せというものです。