SUMMARITシリーズの中でも75mm/90mmは柔らかい描写が特長である。75mmレンズが持つ画角は、何を注視するわけでもなく、光景を見て「いいな」と思った位置からそのままレリーズできるのが魅力だ。たとえば50mmをボディに付けて前述のようなシチュエーションに出会ったとき、1歩から1歩半前に出るとたいていちょうどよい。2歩出るとかなり切り詰められ意識的な画になる。1歩もしくは1歩半で留めると恣意的。・・・あまりフレーミングに縛られたくない人にとって75mmはよいチョイスではないだろうか。凝視より「見つめる」。そんな距離感が好きな人にとって、SUMMARIT-M f2.8/75mmは柔らかく優しい眼になってくれるだろう。開放から実用十分のシャープネス、柔らかいボケ味と、第二の標準レンズとして活躍してくれるのではないだろうか。