最近のレンズはどうも肥大化傾向にあって、レンジファインダーのせっかくの気軽さをスポイルするものが多い。そんな中、C Biogon T* 2.8/35 ZMは開放F値が控えめなせいか、ひときわコンパクトである。これがありがたい。ボディ＋1本を胸元、両ポケットにそれぞれ1本・・・なんて物臭な撮影スタイルが好きな私にとって、もっとこんなレンズが増えて欲しいと切に願う。さて、いきなり脱線してしまったが本題に戻ろう。「C」を冠する例のシリーズで、旧コンタックスの35mm F2.8をフューチャーしたレンズだそうだが、レンズ構成図を見る限り、Biogon T* 2/35 ZMのほうが本家のレンズ構成に似ている気がするが・・・それはそれとして、純粋に写りを見ると堅実な写りの1本である。絞り開放では周辺に若干甘さは残るものの、画面中央は十二分にシャープ。F4まで絞れば画面全体キリキリするほどにシャープに。また非常にコントラストが高いレンズである。少し固いか？という印象はあるが、力強い描写と解釈できる程度であり、シーンを問わず使いやすいレンズだと感じる。Distagon T* 2.8/15 ZMや、Biogon T* 2.8/25 ZMに通じる、光を綺麗に描き出すレンズであると思う。R-D1やM8ではコンバーションの関係から、M9ではファインダー倍率の関係から、35mm近辺のレンズが使いやすいと言える。常用候補の1本におすすめしたいレンズである。