ライカMマウント対応のVoigtländer NOKTON 40mm F1.2 Aspherical VMが登場です。距離計連動システムを搭載している40mmのレンズとしては、もっとも明るい開放F1.2の大口径。両面非球面レンズを2枚採用し、F1.2開放から積極的に使っていける性能を目指した一本。大きいだけでなく美しく豊潤なボケ味を堪能できます。また、F1.2という大口径ながら全長43.3mm、重量315gと非常にコンパクト。ただコンパクトなだけでなく、全長を短くまとめたことでレンジファインダーのケラレの軽減も実現しています。フォクトレンダーのレンズの最大の魅力ともいえる総金属製のヘリコイドユニットはもちろん本レンズでも健在。心地よいフォーカシングが可能な高品質グリース採用、高精度で加工、調整されていますから絶妙なピント調整ができます。NOKTONの「40mm」といえば「classic」をお持ちの方も多いのではないでしょうか。このclassicはレンズの味という部分に着目。ニュートラルで忠実な色再現を目指したマルチコーティング、クラシカルな色調を持つシングルコーティングの2種類をラインナップして、味わいを楽しむレンズとして登場。F1.4という明るい開放値でも話題となりました。でも実は、このclassic登場からすでに13年が経過しているんですよ。さて、ここで今回発売となったNOKTON 40mm F1.2 Asphericalに話しを戻しましょう。本レンズは開放値をF1.4からさらにもう半段明るく、そしてライカMマウントとSONY Eマウントをラインナップしています。そこからも想像できる通り現代のデジタルカメラ、高画素機にしっかり対応してきているはずです。解像感、描写力、色再現など気になるポイントはさまざまあるかと思いますが、実際にこのレンズを選ぶ理由、それは「F1.2」であることに尽きるのではないでしょうか。今回のレビューでは徹底的にこの開放値にこだわり作例を撮影しています。被写界深度の浅さを生かした画作り、また夜や暗所で威力を発揮する本レンズの実力のほどをさっそくご覧ください。
Nokton classic 40mm F1.4は、シングルコートもマルチコートも使ってきました。Nokton classic 35mm F1.4も同様に。フォクトレンダーは安価でクセのあるレンズを乱発?してくるので、こちらも財布からお金が乱舞。たいへん困ったものです。なにやら聞くところによると、これまでのNokton classicシリーズとは価格もかなり違うようで、一線を画す写りだそう。開放からキレて、いわゆるモダンな写りという。ちょっとテストが楽しみでした。
ライカにマウントするレンズですよね、、写りの前評判からも、F1.2を普段使いするという全弾絞り開放といってみましょう。まあうちのサイトは日頃から開放だらけのような気もしますが。開放が明るくても、収差が嫌な感じで残っているとどうしても手が遠のきます。嫌ってなんだ、という話ですが、たとえば球面収差などはそれが残っていることが問題ではなく、ピントを置いた部分のキレがあからさまに足りなかったりする方が問題。もちろん人によると思います。オールドなどは、全般的に画がゆるくて使いづらく、使うシーンを選ぶことから手が遠のくレンズも多いのです。普段使いで開放で撮りまくるというお題で、あらゆる距離で撮ってみました。結果はご覧のとおりです。
最短付近では球面収差がほのかに残り、柔らかさがあってよいです。しかしピントを置いた部分はシャープ。そこからじわりとベールに包まれるかのような滲みが見てとれます。中間距離や無限にピントを置いても、明瞭にピントが見えます。つまりそれぐらいシャープな描写です。周辺は多少落ちますが、オールドのような極端な落ち方ではなく、光量不足で使いづらさを感じるようなものではありません。これは、普段から使ってると幸せになれそう。レンズ自体もコンパクトで、しっかり作り込まれた鏡銅はイイモノ感もあり、所有する喜びも感じさせるものです。フォーカシングのトルクも適切で、回す度にいいなと感じます。40mmという使いでのある焦点距離で、これはちょっと欲しいな。(K)
これまでのF1.4超の大口径レンズといえば、Noktonをはじめ、NoctiluxやNoct-Nikkorなど歴史的にも多くの名レンズが存在してきましたが、それらはF1.4〜2クラスのレンズと比べて個性的な性格づけがされていました。総合力や安定性より明るさに重きを置いた設計で(と言いましても、前述のレンズはどれも素晴らしい光学性能ではありますが)、ある意味使いこなしが難しいピーキーなイメージでした。一方で本レンズは、絞り値を問わず素晴らしく安定した描写で、F1.2でもF2やF4と同じような感覚で普通に撮れてしまいます。違うのは被写界深度の薄さ=ボケの量だけ、といった感じです。先にお届けしましたSONY Eマウント向けの実写レビューにも『F1.2を易々と「普通のレンズ」にしちゃったノクトン先生』と書かれていますが、その性格はVMマウント版でも同じと言っていいでしょう。
また大口径レンズといえば、その明るさの代償として大きく重いことが常ではありましたが、このレンズはその性能からすれば非常にコンパクト。フォクトレンダーブランドの他のレンズ同様、所有欲を満たしてくれる総金属製の鏡胴ながらも、315gとつけっぱなしにできる重さにまとめられています。そのコンパクトさは、スタイルのいい金属製のスリットフードが オプションで用意されてはいるものの、「フードなしで使いたい」と思わせるほど。カメラの高感度性能が高くなった今、「そこまでの“明るさ”が必要?」と考えたりもしましたが、F1.4クラスのレンズと比べても遜色ないサイズと重量、そして安定した光学性能が備わっているのなら、遊べる幅は広い方がいいですよね。なんていったって楽しい!ですから。
これまでのような“飛び道具”としてではなく、常用可能なF1.2。フォクトレンダーのVMマウントレンズのラインナップも充実して久しいですが、実に面白いところを狙って新たなレンズを投入してきたな、といった印象です。40mmレンズには、F1.2と同様の大口径レンズ「NOKTON classic 40mm F1.4」が存在しますが、それぞれ性格が異なりますので、両方手を出してみるとさらに楽しさが広がるのではないかと思います。(Naz)
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いかがでしたでしょうか? 絞り羽根、要りますか…? そんな風に聞きたくなってしまうほど、開放から素晴らしい写りを見せてくれました。実は、2017年のCP+、コシナブースでご覧になった方はご存知だったかと思いますが、この参考出品時には「コンパクトで高性能」をコンセプトとし、携行性に優れた大口径で現代的な高い性能を持つレンズを目指しているということでした。まさにその通りの一本となっているわけです。ピントピークのキレのよさは凄みすら感じます。さらに、自然でボリュームのあるボケはF1.2でなければ味わえないもの。F1.8やF1.4が常用されることが多いなかで、F1.2というのは非常に個性的であり、ある意味では“色モノ”的な印象を受けます。しかし、Voigtländer NOKTON 40mm F1.2 Aspherical VMは画を見ていただくとわかる通り、開放からシャープでキレのある“現代的”な描写をしますから、この写りでこのサイズ、この価格なら、何も難しいことは考えずに普段から使っていける一本になり得るのではないでしょうか。40mmという絶妙な画角は、広角レンズ的な表現も標準レンズ的な表現も可能ですから、頼れる相棒になってくれるはずです。また、標準域のレンズと考えれば、最短撮影距離が0.5mというのも魅力のひとつ。0.5mならおいしい食事の写真だって撮ることができますよね。そしてもちろん、絞ればさらにキレ味は増し、開放での画とはわずかに性格を変えてきますので、そちらを試してみたいという方もぜひどうぞ。
( 2017.12.13 )
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魅惑のF1.2。大口径レンズは数あれど、F1.2という開放値を持つレンズはそう多くはありません。また40mmという広角のようにも標準域のようにも使える絶妙な画角にはマニアも少なくありません。両面非球面レンズ2枚を贅沢に採用し、絞り開放で攻めていける実力を持つ一本です。
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M型ライカに本レンズを装着すると50mmのフレームが出てきます。こちらの外付けビューファインダーを利用すれば、フレーミングの大きな助けになるはずです。クラシカルなスタイリングも、M型ライカに似合いますよ。
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しっかりと前玉を保護するプロテクトフィルターはぜひレンズと併せてご使用することをおすすめします。4K、8Kといった高解像度のカメラにも対応するゼクロスのプロテクターは、特殊弾性緩衝材によりフィルターが明日への負荷を限りなくゼロに近づけた逸品です。
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レンズ、フィルター両方に使用できる、アルコール不使用のクリーナー液です。ヨゴレをすっきりと拭き取りつつ、拭き取り跡もつきにくいので、撮影中での使用にも安心です。レンズ、フィルター専用に開発された信頼の商品です。
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