ライカとオールドレンズで故郷へ

ちょっと早めの夏休みをいただき、ふるさとに帰ってまいりました。(決してクビになったわけではありません)
今回は、先日ついに手に入れた1951年製造のオールドレンズ、L型エルマー50mm f3.5をライカM-Eに付けて、これ一本でふるさとをあらためて撮り歩く旅にでてみます。子どもの頃から見慣れた景色は、歳を取ってからどう見えるのでしょうか? ふるさと・現代のカメラ・オールドレンズで、どんな化学反応をするのか楽しみです。

さて、実家のある場所は実はちょっとした観光地なんですが、さすがに地元だと小学生の頃に遠足で行くくらいなもので主立った観光地などはめったに足は向かないものなのです。でもライカを持つとちょっと行ってみようかという気分になりますね。今回は作例というよりホントにぶらり旅気分でいってきました。
え? いつもですって?

(写真・文:Z II)

わたしのふるさとは日本海に面したところで海の綺麗さは自慢の一つ。そこで海の観光地のひとつに出かけようと思います。
朝8時半出港、天候晴れ、波はベタ凪。梅雨が明けきらないシーズン直前ということで、フェリーの乗船率は3割程度。

雑魚寝っていいですね。時々無性に二等客室でごろりとしたくなるのは、懐かしさからくるのかもしれないです。ただし、空いていればですが。

およそ1時間半で目的地の港に到着。フェリーを降りたところでレンタルサイクルを借りる。話のネタ的にはママチャリののほうが断然おもしろいのですが、受付の人に絶対ママチャリでは登れませんと言われ、さすがにここは泣きの電動アシスト自転車にしました。少し型が古い気がしていやな予感がするも気にせず出発。

海と山に囲まれて

交通量の少ない村道を、自転車でスイスイ進みます。気温は28度ですが、都会で感じる温度とはまったく違う空気。橋の上やトンネルの中はホントに涼しくて、まさに天然のクーラーです。道すがら気になった時にすぐに止まって撮影できるのは、自転車だからできることですね。都会の生活が長くなって田舎に戻ると、住んでいた時にはあたり前だったふるさとの良さがしみじみと感じられるものです。

が、次第に道は坂道に。確かに絶対にママチャリでは走れない傾斜の道が4〜5km続く。電動アシストがついていても息が切れる坂道を登り切ると・・・

ここはスコットランド? はたまたニュージーランド?(行ったことはないのですが)そんな景色が広がっています。青と白の水平線と、芝生の丘陵に佇む無数の牛馬。「ああ、望遠レンズが欲しかったー」という思いも正直ありますが、潔い装備で被写体に向き合うのが正しいライカの姿というものでしょう。

子どもの頃遠足で汗だくになって登ったものですが、こんな風に感動した記憶はありません。やはり歳を重ねることで、見える景色も感じることも変わるようです。遠足の日の思い出、好きだったあの子、芝の上で広げたお弁当。思い出と懐かしさにひとしきり浸って、山を降りることにしました。自転車の電池残量が足りなくなって、港までの道をヒヤヒヤしながら走ったのはここだけの話。カメラも自転車も、バッテリー管理は大切です。

というわけで、オールドレンズで帰ったふるさとへのショートトリップでした。製造から60年は経過しているエルマーですが、想像していたより良く写ります。夜、同級生たちと飲みに行くと、そのカメラなんぼすんの?とかクルマ買えるじゃん!乗れるの?と、からかわれたりもしますが、そんなふうにかまってくれる同級生もありがたい存在です。ふるさとってやっぱりいいですね。

( 2014.07.23 )




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クルマが買えなくもないプライスのカメラですが、乗ることはできません。故郷に持っていけば、思い出を連れ帰ってくれます。

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