ライカのレンズと言えば「ズミクロン」の名を挙げる人も多いのではないでしょうか。その名を冠した開放F2のレンズは各時代で一定の評価を受け、伝説的な逸話にも事欠きません。今回紹介するのはその名を最初に掲げた初代ズミクロン、5cmの沈胴タイプ。初めて空気レンズが採用された高解像度レンズで、「空気まで写る」と言われたほどのシャープな描写をします。作例で使用したレンズは1953年製で絞りの部品にズミタールの部品が流用されている最初期型。現在では使われなくなったトリウムガラスが使用されたレンズとしても有名です。生まれてから半世紀を経たこのレンズ、デジタルとの相性は如何なものでしょうか。

海辺を走る電車の窓から差し込んだ逆光で少しフレアー気味の描写ですが、ピントがあっているローファーの立体感とシャープさは見事です。

オープン前のレストラン。綺麗に磨かれた食器がしっとりとした光に包まれています。さすがに最初期のズミクロン、ピントが合っているバターナイフが細やかに描写されています。

白い被写体に光と影だけで構成された世界。白と黒だけの世界ですが、色のない世界にも様々な階調が存在することを感じさせてくれます。





沈胴ズミクロンの最短撮影距離は1m。この1mは微妙な距離で、テーブルの上やカウンターの上の物を撮ろうとすると、立ったり背伸びしたりとスマートにサラっと撮ることができません。そこでライカ純正アクセサリSOMKYの出番です。メガネが付いた中間リングですが、このアクセサリーを使うことで最短距離が約50cmとなり、カウンターで飲みながら撮影するのにベストな状態になります。トップの写真がSOMKYを使って沈胴ズミクロンを装着した姿ですが、こういったアクセサリひとつ取っても工作精度が高く、工芸品のような仕上がりなのがライカの魅力。少し酔ってきた五感にはライカの手触りとシャッター音が気持よく響いてきます。

オールドレンズは長年の経年変化でレンズ自体が変色している物がほとんどです。特にトリウムガラスを使っているこのレンズは、全ての個体がかなり黄色く変色しています。フィルムであればカラー撮影するために知識と経験が必要になりましたが、M8・M9とデジタルライカの登場でオールドレンズの変色を気にすることなく使うことができるようになりました。もし「色が変だから」と使うのを諦めていたオールドレンズをお持ちでしたら、一度デジタルで試してみてください。オールドレンズの豊富な階調と浮きだすような立体感が、新しいデジタルの描写を見せてくれると思います。

 

(写真/文:位田明生)

ライカ M9-P シルバークローム
世界ではブラックの人気が圧倒的に高いそうですが、日本はシルバークロームの人気も高く、標準でラインアップしてくるあたり、ライカ社が日本のマーケットを如何に重視しているかがよくわかります。その昔家一軒買えると言われ羨望の眼差しを注がれた頃は殆どがシルバークロームフィニッシュ。そのイメージが脈々と引き継がれているのか、確かにライカといえばシルバーの印象が強いのです。

ライカ M9-P ブラックペイント
液晶画面にサファイアガラスを用い、軍艦前部のライカロゴ・モデル名が無くなり、軍艦上部にはクラシカルなライカロゴを。そして往年のヴァルカナイト。使い古されたセリフですが、使い込むことでペイントが剥がれ、地である真鍮が顔を出す。まさに自分だけの1台に育て上げるのがブラックペイント・ボディ。

価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..

ライカ M9 スチールグレーペイント
角度によってはチタン色に見え、シルバークロームとも趣の違うスチールグレーペイントは、M9とLEICA X1のみに今のところ採用されるカラー。

ライカ M9 ブラックペイント
カメラとしての基本的な機構はセンサーや画像エンジンをはじめとしてM9-Pと同一。赤丸ロゴ・モデル名が入った方が好みという方に。M9-Pよりリーズナブルなのも嬉しい。

価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..

EPSON R-D1xG
世界初デジタルレンジファインダーカメラ、R-D1から数えること3代目にあたるR-D1xG。たかだか600万画素程度・・・と侮ってはならないカメラで、いまでも一級品の画を叩き出します。(ぜひサンプルギャラリーでお確かめください) ライカはちょっと手が届かない、なんて方にも勿論おすすめなのですが、買えば選んでよかったなんてことになるでしょう。

価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..

リコー GXR [ボディ]

価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..

リコー GXR MOUNT A12 [レンズマウントユニット ライカMマウント対応]
ライカレンズをライブビューでパララックス無しで撮る。ローパスレスの画はなかなか渋い色調とともに気に入ると思いますよ。

価格:Loading..(税込)
Loading..Loading..
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..

このページの上部へ