「球面ズミルックス 35mm F1.4」。このレンズ、ライカのオールドレンズで撮影したいと思われる方が一度は使ってみたいレンズの代名詞ではないでしょうか。その一番の特徴は、絞り開放での美しい滲み。1961年に発売されたこのレンズは、最初期、ストッパー付き、ストッパーの仕上げがペイント、ストッパーの仕上げがクローム、ストッパー無し等、沢山のバリエーションがあります。公表されているレンズ設計自体は変わってないので描写に大きな違いはないはずなのですが、そこはライカ、作られた年代によって違いがあるとも言われています。今回ご紹介するのは一番玉数も多いのではないかと思われるストッパー無しのバージョン。筆者所有のこの玉、なかなか佳い写りをすると思います。ぜひそのクセ・美しい滲みを楽しんでください。


佳い感じに滲んでいますね。この優しい雰囲気はこのレンズにしか出せない味です。この雰囲気を出すポイントは、この写真の通り、絞り開放、逆光です。


美しい滲みに注目が行きがちですが、F1.4の開放値、コンパクトさは夜のスナップにもその威力を発揮します。




撮影の条件が違うと全く別のレンズのような描写をします。実はオールドレンズはオールマイティではないのです。順光、逆光、斜光という光の条件。絞りの選び方。カメラを構える方向、高さでガラっと描写が変わります。じゃじゃ馬と表現してしまえばそれで終わりなのですが、付き合いが長くなると癖の一つ一つに不思議と愛着が湧いてきて、癖を使いこなしてみたくなるのです。まあハレーションまで好きに表現するにはかなりの長い付き合いが必要だと思いますし、「ほんとにそんなこと必要なの」と言われてしまいそうですが、せっかく佳いハレーションが出るのですからうまく使わない手はないと思います。


絞りによる描写の違い。上が開放F1.4、下がF2.8。よく見ると2枚とも線の細い綺麗な描写をしているのですが、滲み具合が明らかに違います。


何気ない公園の何気ない日常が、なんとも言えない雰囲気に包まれた一枚になりました。クセ玉と言われているレンズですが、その癖をうまく利用することでそのレンズでしか撮れない表現を手にすることができます。こういったレンズを使いこなすには、まずはじっくり付き合って理解することからはじめましょう。どうやって癖を理解するのか・・・何よりも沢山撮って、撮れた写真をよく見ることです。上の写真を見てみると、綺麗な滲みは背景が白いところに象徴的に出ていることがわかります。光の具合、被写体との距離・・・それはどんな条件だったのでしょうか。

どんどん怖がらずに使ってください。そしてゆっくりと撮った写真を眺めてください。
クセのあるレンズほど、使いこなす楽しみがあるのです。

 

(写真/文:位田明生)

ライカ M9-P シルバークローム
世界ではブラックの人気が圧倒的に高いそうですが、日本はシルバークロームの人気も高く、標準でラインアップしてくるあたり、ライカ社が日本のマーケットを如何に重視しているかがよくわかります。その昔家一軒買えると言われ羨望の眼差しを注がれた頃は殆どがシルバークロームフィニッシュ。そのイメージが脈々と引き継がれているのか、確かにライカといえばシルバーの印象が強いのです。

ライカ M9-P ブラックペイント
液晶画面にサファイアガラスを用い、軍艦前部のライカロゴ・モデル名が無くなり、軍艦上部にはクラシカルなライカロゴを。そして往年のヴァルカナイト。使い古されたセリフですが、使い込むことでペイントが剥がれ、地である真鍮が顔を出す。まさに自分だけの1台に育て上げるのがブラックペイント・ボディ。

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ライカ M9 スチールグレーペイント
角度によってはチタン色に見え、シルバークロームとも趣の違うスチールグレーペイントは、M9とLEICA X1のみに今のところ採用されるカラー。

ライカ M9 ブラックペイント
カメラとしての基本的な機構はセンサーや画像エンジンをはじめとしてM9-Pと同一。赤丸ロゴ・モデル名が入った方が好みという方に。M9-Pよりリーズナブルなのも嬉しい。

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EPSON R-D1xG
世界初デジタルレンジファインダーカメラ、R-D1から数えること3代目にあたるR-D1xG。たかだか600万画素程度・・・と侮ってはならないカメラで、いまでも一級品の画を叩き出します。(ぜひサンプルギャラリーでお確かめください) ライカはちょっと手が届かない、なんて方にも勿論おすすめなのですが、買えば選んでよかったなんてことになるでしょう。

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リコー GXR [ボディ]

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リコー GXR MOUNT A12 [レンズマウントユニット ライカMマウント対応]
ライカレンズをライブビューでパララックス無しで撮る。ローパスレスの画はなかなか渋い色調とともに気に入ると思いますよ。

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